世迷い言とあんたのバラード

美空ひばり「さくらの唄」のブログを書いた時に、きっとご存じの人は少ないだろうと思い、AMAZONのMP3を貼って、さわりだけでも試聴できるようにしておいたら、そこからMP3をお買い上げいただいた方がいらしたようで。


あんな悲しい歌をDLなさった方は、まさか、カラオケなぞで歌いはしないでしょうね?!

ダメですよ!なんとなく、先行きが心配になったのでした。

表題は「世迷い言」。作詞:阿久悠、作曲:中島みゆきです。日吉ミミさんの1978年10月5日発売の楽曲です。

これは、『さくらの唄』と同枠のTBS水曜劇場『ムー一族』の挿入歌でした。


『ムー一族』は大人の事情で再放送は控えているようですが、このドラマを実際に観てなくても、同じくドラマ挿入歌の『林檎殺人事件』はご存じでしょう。放映は1978年(昭和53年)5月17日~1978年2月7日、全39回です。


プロデューサーの久世光彦さんは、このドラマを最後にTBSを退社なさって、水曜劇場はこの作品で1つの時代が終わった感じでした。

この「世迷い言」は、しみじみと、とてもいい歌です。

日吉ミミ版も持っていますが、中島みゆきの「世迷い言」が、とてもいい!

彼女のアルバム『お帰りなさい』に収録されています。


変なクセだよ、男に振られたその後は

なぜだか、決まって、風邪をひく、、、うう



男に振られたを「女に振られた」に変えてみたところで、全然しっくりこない。

昭和な女性の、ちょっとさみしい世界観が完璧なので、崩すことができません。


おかえりなさい/中島みゆき

¥2,916
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このアルバムには、桜田淳子のヒット曲「しあわせ芝居」も入っていますが、俺は桜田淳子の大ファンだったので、中島みゆきバージョンで聴こうとは思わず、でもどうしてもこの「世迷い言」が欲しくて、アルバムを買ったものでした。


今回、またまた、このCDを買ってしまった。LPレコード盤を入れると、なんと4回目。なぜに同じものを手放しては買うを繰り返すのか、自分でも理解に苦しみます。

決して中島みゆきのファンではないからです。もちろん彼女は素晴らしいアーティストだと思っていますが、どうも世界が合いません。


でも、この「世迷い言」ともう1曲「化粧」の2曲は大好きなのです。


「化粧」はもともと中島みゆきのオリジナルで、ご本人のヒット曲ですが、実は桜田淳子が歌手活動を休止する少し前、33枚目のシングル盤としてカバーしましたが、これがまたいい。


その頃の彼女は、息をのむほどにきれいでした。こんなにきれいな方が、


こんや、死んでもいいから、きれいになりたい・・・



なんて、ぜんぜんそぐわないのですが、実はそれがよかったりします。オリジナルよりも桜田淳子バージョンの方が全然好きなのです。


ファンだったから、何だって彼女の歌が良いに決まっている・・・のでしょうが、その後の彼女の生き方を見るにつけても、きっとご本人がこの歌を心から好きだったんだろうなと感じます。


「世迷い言」も「化粧」も、どちらも恋愛がうまくいかない女性の歌です。

共感できるかといわれると、どうも気持ちが分からなかったりするのです。じゃあなぜ好きか?


それは、きっと俺のどこかに、この歌のような女々しい自分が住みついているのでしょう。そんなことを認めるわけには、絶対にいかないですが。


ところで、「世迷い言」は阿久悠さんの作詞ですから、完全な中島みゆき世界というわけではありません。ドラマ『ムー一族』では、伊藤四郎さんや由利徹さんが通うスナックのBGMで流れていました。


よのなかばかなのよ


と、劇中のスナックで、常連の男たちが酔っぱらって歌っていましたっけ。



みかんをむく指、黄色く染まる

忘れたマニキュア剥がれて落ちる

もしや、あんたが帰ってきたのかと

ベッドを下りたら出るくしゃみ



それで気がつきました!


あんた


女性が男をあんたと呼ぶのが、なんか俺の心にぐっと突き刺さるのでした!

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こんやあたしは、あんたに会いに行くから

最後の最後に会いに行くから


そういえば「化粧」を歌う桜田淳子の「あんた」にも、ぐっと来たものです。

化粧/Victor
¥250
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なんだ、そうだったのかー。ああ、よかった。自分がぐずぐず女々しい男なのかと本気で心配していました。


そう考えると、「あんた」と呼ばれる男に、ダメかっこいいイメージを持った歌は、沢山あります。

「あんた」になりたい男は、俺だけではないですね!


「あんたのバラード」という世良正則の名曲もあります。もう、しょっぱなから、シャウトで。


あんたに

あげた愛の日々を、今さら返せとは云わないわ


甲斐バンドの「そばかすの天使」


あたしを捨てていっちまった あんたの背中に

好きよ好きと何度も叫び続けた


チャゲ&飛鳥「ひとり咲き」


あたいはあんたに夢中だった

こころから あんたに惚れていた


西岡恭蔵「プカプカ」


あんたが あたいの寝た男たちと

夜が明けるまで お酒飲めるまで


本家にもありますよ。中島みゆき「時は流れて」


あんたにはもう会えないと思ったから

あたしはすっかりやけを起こして いくつもの恋を渡り歩いた


ところで、俺はというと、人生で一度たりとも「あんた」と呼ばれたことがなく・・・。

結局、あんたと呼ばれるような男になってみたかったということなのでした。


自分にないものへの憧れなのか。うーん。


53にもなって、まだそんな憧れを抱いてるなんて、カッコ悪!と、また自己評価が下がってしまった・・・。


バカだな、俺(笑)


バカだね、バカだね、バカだねあたし


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コメント

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    あんたっていうわ(笑)
    だから『あんた私の事あんたあんたっていうけど、私あんたの事あんたあんたっていわないんだからあんた私の事あんたあんたって言わないでよあんた』ってさ(笑)

    • Sozo
    • 2015年 4月 21日 1:10pm

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    あのこの、なんなのさ?

    てのもありました。今後、人のことを「あんた」と呼ぼうかな(笑)
    あやちゃん、コメありがとう。

  2. SECRET: 0
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    まよと言います、今色んな方のブログを見て勉強しています。私は、主に海外旅行などを多く行くので記事にしておりますm(__)m今後やり取りが出来たら嬉しく思います。もし記事などにご興味ございましたら読者登録おねがいします♪

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